OEMの見積もりに含まれない費用一覧(試作・型・表示・送料・保管)

OEMの見積もりは「1個あたりの単価」だけでは比べられません。試作費、版代・型代、表示、検査・届出、送料・保管料など見積もりに含まれにくい費用を一覧にし、見積もりを取るときの聞き方をまとめました。

電卓とはかり、小袋の横で見積の内訳表を書く手

「1個あたり」だけで比べると、合計で逆転します

OEMの見積書には、たいてい「1個あたり何円」という単価が書かれています。初めて見積もりを取ると、この単価で工場を比べたくなります。しかし単価は、商品そのものの原価の一部にすぎません。

実際に商品を売り始めるまでには、試作、パッケージ、表示、検査、送料、保管といった費用が別にかかります。これらは見積書に載らないことが多く、「含む・含まない」の線引きも工場により異なります。単価が安い工場の方が、合計では高くつくこともあります。

見積もりに含まれやすい費用と、含まれにくい費用

まず全体像です。私たちは、お客様から発注を受けて工場へ製造を委託する立場で、見積もりの内訳を見比べています。下の表は、そのときの整理の仕方です。「含まれやすい」「含まれにくい」は傾向で、実際の扱いは工場により異なります。

区分費用の項目見積もりへの含まれ方
商品の原価原料費、加工費、充填・包装の作業費含まれやすい(単価に入る)
商品の原価一次容器(袋・ボトル・カプセルなど)の材料費含まれやすいが、指定容器は別のことがある
初期費用試作費、原料の取り寄せ費含まれにくい
初期費用パッケージの版代・型代、デザイン費含まれにくい
初期費用表示の作成・確認の費用含まれにくい
初期費用検査費、届出の手続き費用含まれにくい
継続費用送料、保管料、発送資材ほぼ含まれない
継続費用改版・再生産のときの版代・試作費ほぼ含まれない

表の下の方ほど、見積書に載らない傾向があります。以下で1つずつ説明します。

見落としやすい費用を1つずつ

試作費は、回数分かかります

試作は1回で決まらないことがあります。味・香り・使用感・溶けやすさなどを調整するたびに、試作費がかかります。無償で試作する工場もありますが、原料の取り寄せ費や送料は別のことがあります。見積もりでは「試作は何回まで、いくらまで含むか」を確認します。

パッケージの版代・型代は、初回だけの費用です

印刷物には版代、容器には型代がかかります。どちらも初回に一度かかり、既製の袋や容器を使うと抑えられます。逆に、形や色を細かく指定するほど費用は上がります。デザイン費も、工場の見積もりには通常入りません。私たちは企画の段階からパッケージまで一緒に進めるため、この費用も含めて全体を組み立てます。

表示の作成・確認には、手間と費用がかかります

食品を例にすると、名称・原材料名・内容量・賞味期限・製造者などの表示が必要です。商材ごとに適用される法律が異なり、表示の項目と書き方は最新の基準で定められています。工場が表示案を作る場合もありますが、確認の責任がどちらにあるかは契約で決まります。外部の専門家に確認を依頼する場合は、その費用も別にかかります。

検査・届出は、商材と売り方で要否が変わります

成分の分析、菌の検査、賞味期限を決めるための保存試験などは、商品ごとに必要になることがあります。届出や許可が必要な商材もあり、誰が手続きの主体になるかは製造の形態で変わります。たとえばペットフードや化粧品には専用の法律があり、表示や届出の要否は商品ごとに異なります。これらの費用は単価に入らないことが多いため、別に見ます。商材ごとの論点は、各商材ページの「規制・注意点」にまとめています。

送料・保管料・発送資材は、売り続ける限りかかります

工場から倉庫への送料、倉庫の保管料、EC発送のときの段ボールや緩衝材は、初期費用ではなく継続費用です。工場の見積もりは、工場出荷までの条件になっていることが多くあります。在庫を長く持つほど保管料は増え、賞味期限が切れれば廃棄の費用もかかります。ロット数を決めるときは、この継続費用を先に見ておきます。

最小ロット未満の「残り」は、在庫か廃棄になります

工場には最小ロットがあります。売れる見込みより最小ロットが大きいと、残りは在庫になり、保管料と廃棄のリスクを抱えます。「1個あたり」の単価はロットを増やすほど下がりますが、売れ残った分は原価がそのまま損失になります。単価の安さとロットの大きさは、必ず一緒に見ます。

改版・再生産のときも、初期費用の一部が再びかかります

パッケージの表示を直す、成分を少し変える、といった改版では、版代や試作費が再びかかることがあります。再生産のときも、原料の相場や最小ロットが変わっていることがあります。初回の見積もりを「初回だけの費用」と「毎回かかる費用」に分けておくと、2回目以降の計画が立てやすくなります。

チェック欄だけの用紙にペンで印を付ける手元と、小さな段ボールとクラフト袋

見積もりを取るときの聞き方(チェックリスト)

次の項目を、見積もりを依頼するときに一緒に聞きます。答えが「含まない」でも問題ありません。含まない費用が分かれば、合計で比べられます。

  1. 単価に含まれるのは、原料費・加工費・充填包装費のどこまでですか
  2. 試作は何回まで、いくらまで見積もりに含まれますか。原料の取り寄せ費は別ですか
  3. 一次容器(袋・ボトルなど)は指定できますか。指定した場合、費用はどう変わりますか
  4. 版代・型代はいくらかかりますか。既製品を使えば不要ですか
  5. 表示案の作成はどちらが担当しますか。確認の責任はどちらにありますか
  6. 必要な検査と届出は何ですか。費用と手続きの主体はどちらですか
  7. 見積もりの納品条件は工場出荷ですか。倉庫までの送料は含みますか
  8. 最小ロットはいくつですか。最小ロットを下回る場合の条件はありますか
  9. 改版・再生産のとき、版代や試作費は再びかかりますか
  10. 見積もりの有効期限はいつまでですか。原料の相場が変わったときの扱いはどうなりますか

このチェックリストの答えを並べると、工場ごとの「含む・含まない」の違いが見えます。私たちはこの内訳をそろえた上で、初期費用と継続費用を分けた合計でお伝えします。

まとめ:見積もりは「初期費用+継続費用」の合計で比べます

  • OEMの見積もりで見るべきなのは、単価ではなく合計です
  • 見る費用は、試作費、版代・型代、表示、検査・届出、送料・保管料、最小ロット未満の残り、改版・再生産の7つです
  • それぞれ見積もりに含まれるかどうかを聞いた上で、足し合わせます

商材別の最小ロットの目安と主な初期費用は、各商材ページにまとめています。

ペットフード・ペット用品OEMの最小ロットと初期費用健康食品OEMの最小ロットと初期費用サプリメントOEMの最小ロットと初期費用化粧品・美容OEMの最小ロットと初期費用

※ この記事の規制に関する記述は一般的な整理であり、法律の助言ではありません。個別の判断には、所管官庁の一次情報と専門家への確認が必要です。

監修

清水 優太ユニドット株式会社 代表取締役

EC・マーケティングの実務に通算10年(2016年〜)。うち、2020年9月まで飲料メーカーのブランドマネージャー、2021年3月まで日本酒酒蔵の蔵人(冬季)を経験。2021年4月に個人事業として独立し、2024年3月15日にユニドット株式会社を設立。

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