OEMとは?初めて依頼する人のための流れ・期間・費用

OEMの意味をPB・ODMとの違いから分かりやすく整理し、初めて依頼する人向けに流れ・期間の目安・費用の内訳を解説します。相談前に決めておく4点も紹介します。

大きさの違う無地のボトルの列と、鉛筆で書きかけの工程表

OEMとは、自社ブランドの商品を他社の工場で作ってもらうこと

OEMは「Original Equipment Manufacturing」の略です。日本語では「相手先ブランドによる製造」と訳されます。商品の企画と販売は依頼する側が担い、製造は工場が担う仕組みです。

たとえば、自社ブランドの犬のおやつを企画し、製造をペットフードの工場に委託します。これがOEMです。自分で工場を持たなくても、商品を作れます。

PB・ODMとの違いは「誰が企画するか」と「どの視点の言葉か」

似た言葉に PB(プライベートブランド)と ODM があります。違いを表にまとめました。

用語意味企画・仕様を決める人
OEM依頼側の企画に基づき、工場が製造する依頼側
ODM工場が企画・設計まで担い、依頼側のブランドで販売する主に工場
PB小売業などが自社ブランドとして売る商品のこと販売側(作り方はOEMかODM)

OEMとODMは「作り方」の分類です。PBは「商品の位置づけ」を指す言葉で、視点が違います。

迷ったら、企画をどこまで自分で決めたいかで考えます。処方や仕様まで決めたいならOEM、工場の既存の処方を使いたいならODMに近い形です。実際は両方の中間で進むことも多く、工場によって呼び方も異なります。

OEMの依頼の流れは6段階。企画から販売の準備まで続きます

OEMは「工場に頼めば終わり」ではありません。企画から販売の準備まで、通常は6つの段階で進みます。

1. 企画:誰に・何を・いくらで売るかを決める

最初に決めるのは、商品ではなく売り方です。誰に、何を、いくらで売るのかを先に決めます。ここが決まると、後の仕様や工場選びに一貫性が出ます。商材が決まっていない方は、自社ブランド立ち上げ支援のページも参考にしてください。

2. 処方・仕様:中身と形を決める

原材料、形状、内容量、賞味期限や使用期限の目安を決めます。この段階で、表示や届出に関わる項目を洗い出します。たとえばサプリメントや健康食品は、表示や表現の範囲に法律上の制限があります。

3. 工場選定:商材とロットに合う工場を選ぶ

商材ごとに得意な工場が異なります。小ロットに対応する工場もあれば、大量生産が前提の工場もあります。仕様とロットを伝えて見積を取り、複数を比べます。個人や小規模で始めるときの最小ロットの考え方は、「サプリメントOEMは個人でもできる?」の記事で、サプリを例に整理しています。

4. 試作:実物で確認し、修正する

試作品で味・使い心地・形状を確認します。修正は1〜2回を目安に計画します。回数が増えるほど費用と期間がかかるため、確認したい点を事前に整理しておきます。

5. 量産:仕様を確定し、製造に入る

試作で仕様を確定し、量産に進みます。表示の最終確認と、届出が必要な場合はその準備を並行します。

6. パッケージ・EC展開:売る準備をする

パッケージのデザインと表示を仕上げ、販売の準備をします。売り方は企画の段階から並行して考えると、ここで止まりません。

卓上カレンダーと付箋を貼った工程表、無地の小箱とクラフトのパウチを置いた机

期間の目安は、工程を積み上げると4〜8か月程度

期間は商材と工場の混み具合で大きく変わります。下の表は一般的な工程の所要期間を積み上げた目安で、実測値ではありません。実際の期間は、工場ごとの見積で決まります。

工程目安
企画・処方・仕様1〜2か月
工場選定・見積2〜4週間
試作(1〜2回)1〜2か月
量産1〜3か月
パッケージ・EC展開量産と並行して1〜2か月

合計すると、企画から納品まで4〜8か月程度が目安です。原料の取り寄せに時間がかかる商材や、届出が必要な商材は、さらに長くなることがあります。

費用は「原価・初期費用・継続費用」の3つに分けて考える

OEMの費用の相場は、商材・仕様・ロットで大きく変わります。ここでは金額ではなく、費用の内訳と考え方を整理します。

商品の原価:1個あたりにかかる費用

  • 原材料費
  • 製造加工費(工場の作業費)
  • 容器・包材費
  • パッケージ・ラベルの印刷費

原価はロットが大きいほど、1個あたりが下がります。小ロットは単価が上がる代わりに、在庫のリスクを抑えられます。

初期費用:最初の1回だけ、または量産の前にかかる費用

  • 試作費(回数分。原料の取り寄せ費が別のことがあります)
  • 印刷の版代、容器の型代
  • 表示の作成・確認(外部の確認を入れる場合はその費用)
  • 検査・分析、届出の手続き費用
  • EC構築・撮影などの販売準備の費用

継続費用:売り続ける限りかかる費用

  • 工場から倉庫への送料
  • 倉庫の保管料
  • EC発送の段ボール・緩衝材

見積は「1個いくら」だけで比べない

工場の見積は、多くの場合「商品の原価」が中心です。試作費や版代、表示の確認、送料や保管料は含まれていないことがあります。1個あたりの単価だけで比べず、初期費用と継続費用を分けて合計で見ることが大切です。

初めての人が決めておく4点:商材・想定ロット・予算感・希望時期

次の4点を決めておくと、相談が早く進みます。決まっていない項目は、相談の中で一緒に整理できます。

項目決めておく内容決まらないときは
商材何を作るか(例:犬のおやつ、プロテイン、美容液)誰に売りたいかだけでも
想定ロット最初に作る数量販売の見込みから逆算
予算感初期費用と原価にかけられる上限上限だけでも
希望時期発売したい時期急ぎかどうかだけでも

商材が決まっている方は、商材ごとのページで最小ロットの目安と主な初期費用、規制の論点を確認できます。ペットフード・ペット用品、健康食品、サプリメント、化粧品・美容の4商材です。

なお、化粧品の製造販売元には、薬機法に基づく化粧品製造販売業の許可が必要です。誰がその役割を担うかは、企画の段階で決めます。

企画会社に相談するメリットは、工場選びと「作った後」まで一社で済むこと

工場に直接依頼する方法もあります。ただし初めての方には、企画会社を通す利点が3つあります。

1. 商材に合う工場を選べる

工場は、その工場の設備で作れる範囲で提案します。企画会社は特定の工場に縛られず、商材とロットに合う工場を選べます。私たちは発注を受け、工場へ製造を委託する契約の主体になります。

2. 規制と進め方の論点を、企画の段階で洗い出せる

表示・届出・表現の範囲は、後から直すと試作や印刷をやり直すことになります。企画側の目線で早めに論点を出し、後戻りを減らします。

3. 作った後の売り方まで、続けて相談できる

「売れない」「儲からない」とならないように、私たちはEC構築・LP・SNS運用まで一社で対応します。商品開発の段階から、売り方を並行して設計します。

まとめ:OEMは企画から始まり、売る準備まで続く

  • OEMは、自社の企画を他社の工場で製造してもらう仕組みです
  • 流れは、企画 → 処方・仕様 → 工場選定 → 試作 → 量産 → パッケージ・EC展開の6段階です
  • 期間は工程を積み上げると4〜8か月程度が目安で、商材と工場で変わります
  • 費用は原価・初期費用・継続費用の3つに分け、見積は合計で比べます
  • 相談前に、商材・想定ロット・予算感・希望時期の4点を整理しておきます
「小ロット・初めての方へ」を見る

※ この記事の規制に関する記述は一般的な整理であり、法律の助言ではありません。個別の判断には、所管官庁の一次情報と専門家への確認が必要です。

監修

清水 優太ユニドット株式会社 代表取締役

EC・マーケティングの実務に通算10年(2016年〜)。うち、2020年9月まで飲料メーカーのブランドマネージャー、2021年3月まで日本酒酒蔵の蔵人(冬季)を経験。2021年4月に個人事業として独立し、2024年3月15日にユニドット株式会社を設立。

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